時代はかなり古いのだが、代理母という現代でもまだ課題がある問題を扱っている。
ビジネスと割り切って、代理母で大金を得ようとする女友達。彼女からきっかけを与えられた主人公の春菜。最初はまさか自分がそんなことをと思っていたが、ある富裕な女性から自分の夫の子供を宿してほしいと頼まれ、その夫と接しているうちに、やがて恋に落ちる。
自分の出産した子供とは遇わせてもらえず、もちろん名乗ることもできないが、春菜はほどなく、自分が守っていかねばならない存在と出会う。
タイトルの意味合いは、ラストシーンで明かされる。
このテーマは、重い。そして時代に左右されない普遍性もある。
わたなべまさこといえば、わたしは子供のころに「聖ロザリンド」などホラーっぽい作品を読んだ記憶があるのだが、この作品はまったく知らなかった。
テレビドラマ版は、後半を中心に見た。自分の発案でありながら嫉妬に苦しむ妻の薫を国生さゆりが演じ、春菜は馬渕英里何(最近はお名前の漢字が異なるらしいが、当時はこのお名前)。ドラマは10年後までを描き、自分が生んだ娘と、自分が育てている男の子が登場する。
あのドラマは、音楽もよかった。KOKIAの「かわらないこと」がオープニングで流れ、作中ではバイオリン曲が。