ごく一部に例文がひどすぎる例(難しいのは読み手の問題ではなく原文が悪文)もあったし、著者自身もそれらを悪文と書いているほどだったが、そうしたものは、なぞなぞを楽しんだ程度の感覚で読み流すことにした。
わたしは普段から英語の新聞記事をよく読んでおり、耳からはいる英語としては大量の映像作品(ジャンルはホラー、SF、犯罪ものが多い)を楽しんでいる。語彙に富んだ表現の美しい英語をあまり頭に入れずに過ごした年数が、結果として長くなってしまった。英語のまま頭にはいってきている気がしてさらりと読んでいるだけでは、もしかすると理解はしていないのかもしれないと、本書の問いを読みながら考えた。
100問以上の問いかけがあり、数問おきに日本語訳と解説が載っている。ぜひ面倒がらずに、提示された問いを頭の中で日本語にしてから、できれば口に出すか、紙に書くなどしてから、正解を読んでほしい。自分ですんなりと日本語に出せない場合は、英語の理解が足りていないのだと、思い知らされた。
慣れているつもりになっている人こそ、読むとためになる本である。