角食パン(国産小麦使用)、プルマンブレッド(北米産小麦使用)の配合、そして図解付きでこね方を解説する。このふたつは湯種を使うが、イギリス食パンは中種製法。
また、店には出ていないがレーズンブレッドほか、ライ麦、くるみ、ショコラなど各種のアレンジ食パンの配合がつづく。最終章ではサンドイッチ、そして食パンとともに食べるスープやピクルスなどの作り方も。
角食パンとプルマンは、小麦の種類と水分量が違うのみで、そのほか材料や手順はまったく同じ。
手ごねパンに興味がある方は、楽しめるはずの一冊。
食パン専門店なので、食パン風のアレンジパンの配合がいくつか書かれているが、全体的に少ない。サンドイッチやサイドメニューに関心がなくパン全般のレシピを多めに期待している人には、あまり向いていない。
さて、ちょっと個人的に驚いたのは、角食とプルマンの糖分の多さだ。これは標準的な量(おそらく焼き上がり重量は450g前後?)だが、砂糖を前日仕込みの湯種も含めて20g使っている。わたしは食パンなら10gか12g程度で焼くが、それでもそこそこ自然な甘味を感じるし、自分のそのグラム数は、自家製の食パンとして標準だと思っている。
世の中の市販食パンが甘いと感じることがあるが、ロールパン用の生地ならまだしも、食パンでこのグラム数がもし業界標準であるなら、菓子パンなどはどれだけ使っているのかと、ちょっと興味がある。
さて、近いうちにこちらのお店のパンを買って、食べてみるとしよう。