2019年10月31日

バターの本 - グラフィック社編集部編

 バター好きにはたまらない本である。国内のバター製品をひたすら紹介する直球勝負の姿勢が素晴らしい。表紙を開けて次の内扉が、バターの包み紙と見まごう銀色のツヤ紙なのには、顔がほころんだ。よくぞ考えたこのデザイン。



 バターというととかく輸入商品に目が向きがちだが、本書では食の著書も多いスタイリストいとうまさこ氏の解説にはじまり、各バターのコメントでは富澤商店の長尾絢乃氏が登場し、国内の有名な乳業各社の商品だけでなく牧場併設の工房や製造所の商品、あるいは牧場に自社専用商品を製造してもらっている製菓業の商品など、幅広く紹介していく。

 高品質そうなのにさほど高価ではないもの(もちろん市販品よりは高いが)やら、通販していないため地元でのみ流通の商品など、バター好きが「いつかは食べてみたい」と闘志を燃やし、各ページに付箋や栞をたくさん使いながらページを繰っていく姿が目に浮かぶようだ。
 本の最後のほうでは、バターを使用した焼き菓子についても少し解説。

 カタログ代わりに、一冊いかがかと、幅広い層におすすめしておく。
posted by mikimarche at 21:25| Comment(0) | 実用(食べ物・食文化)